ひたぎエンド 其ノ伍

恋物語 (講談社BOX) (2011/12/21) 西尾 維新 商品詳細を見る

“片思いをずっと続けられたら――
それは両想いよりも幸せだと思わない？”

<前回までのあらすじ>

　尾行者や脅迫状など、不確定要素が増えていく中、次の日も神社に通う貝木。
　その帰り、山を降りた貝木を待ち構えていたのは、海外に出国している筈の羽川翼だった――。

　以下、ネタバレ含む感想。

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【０３１】
　羽川が提供した情報により、貝木はようやく、この町で起きた様々な出来事を知ることができた。ちなみに阿良々木、神原、臥煙、エピソードらが関わった件については、『終物語 (上) (講談社BOX)』の時点で未だ詳細は語られていない。

てーか、語られるのか？

「あの町が霊的に乱れていたから――」

　一体いつから乱れていたのか。十一年前のあの時からか。それとも、それよりももっと前からなのか。

「あの子の世界は、徹底的に閉じている――」
「あの子のこと、ちゃんと騙してあげられると思いますか？」

　羽川は危惧している。はたして。

　貝木の言葉はあの子に、あの子の心に、本当に届いているのか、と――。

「あいつに家族はいない」
「あいつは元々天涯孤独なんだよ」

　まあ視聴者の誰もが思っていた通り、忍野扇は忍野メメの身内ではないらしい。
　では、彼女は一体何なのか？

　貝木が「何の役にも立たないくだらないもの」と言い捨てる、クローゼットの中身とは？

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【０３２】
　北白蛇神社に通うだけの地味な日々。

一升瓶をラッパ飲みする女子中学生の図。

(- -;　今は神様だからセーフ、なのか、な……？

　二月になった。

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【０３３】
　決行を告げに、戦場ヶ原に電話をする貝木。

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【０３４】
　神社に向かう途中で再び斧乃木余接と遭遇。原作では電車の中だったが、アニメでは駅のホームでの会話に。

「あの子のために潰したんだろう？」

　戦場ヶ原のために、悪徳宗教団体を潰した。

「一人娘に未来がないと判断したから」

　戦場ヶ原のために、家族を壊した。

「あなたはこういうとき、必ず失敗をする。してきた」

　戦場ヶ原のために、詐欺を働き、成功した。だが、失敗した。
　貝木は根っからの詐欺師で詐欺が得意技だ。
　だが、詐欺では彼女は、戦場ヶ原ひたぎは救えなかった。
　そして、彼女を救ったのは――。

「……あなた、一生そんな性格なの？」
「そうだ。俺は一生そんな性格だ」

なんでオカルト研究会の人間は、揃いも揃って一癖も二癖もある捻くれ者なんだ。　(ﾟ□ﾟ;)

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【０３５】
「昨日の夜、交通事故で亡くなったんだよ」
「貝木さんも『私』を騙すんだね」

　この時点で、漸く詐欺師は己の過ちに気付いた。
　今の今まで、自分の言葉など彼女には全く届いていなかったのだ。

　自身を「撫子」と呼んでいた時の撫子は、他人どころか自分にも無関心でいる時の撫子だった。
　自身を「『私』」と呼ぶ撫子が、本当の撫子だった。

――神を敵に回した詐欺師の、次なる一手は。
次回、最終回。

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　６話使うのは正直意外だったが、６話使ったことで、貝木の心情というか、中身というか、面倒臭さが視聴者によく伝わったんじゃないかな。

　ちなみに作中で語られた「沼地蠟花（ぬまち　ろうか）」は、次回作『花物語 (講談社BOX)』にて神原駿河と対決するキャラである。