なでこメドゥーサ其ノ貳

囮物語 (講談社BOX) (2011/06/29) 西尾 維新 商品詳細を見る

“――嘘つき。神様の癖に”

<前回までのあらすじ>
　その日。
　撫子は通学中に忍野扇に遭遇してから、白蛇が自分に絡みつく幻覚を目にするようになる。
　怪異なのかどうか判然としないまま暦に相談を済ませた直後、今度は謎の男の声を耳にする。
　声に脅迫されるようにして北白蛇神社に向かった撫子がそこで目にしたのは、

巨大な白蛇だった――。

　以下、ネタバレ含む感想。

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【００９】
　シュシュの形状に変化して、撫子に腕に絡みついたクチナワ。クチナワが撫子にお願いしたのは、「自分の死体を探してほしい」だった。
　原作では合間に、ナデコがボケてクチナワがツッコむシュールな場面があったのだがカット。残念。

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【０１０】
　翌日。撫子は欠席せずに、クチナワを腕に絡みつかせたまま学校へ。
　クチナワが言うには、今自分がこうあれるのはキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードがこの町に来たことが原因で、今自分がこうなっているのは、忍野忍が神社にあった霊的エネルギーを使い込んだことが原因だ、と。

「しかしその霊的エネルギーを、かなりどうでもいいことに使われちまったんだ」

　･･････ああー。

　傾物語での出来事が今回の事態の遠因とは。（;￣□￣)

　クチナワから情報を聞き出そうとする撫子だが、「わからねえ」の一辺倒の回答に、ノリツッコミしかできなかった。

「頑張りたくないな……」
「いや、そこは頑張れよ」

　怪異に突っ込まれた。Σ(ﾟдﾟ;)

　ここで話は現実に戻り、担任との会話から撫子とクラスの現状が明らかに。だが撫子は、委員長の仕事も、先生から頼まれた仕事も、「何もしてないもの」と言い切った。

　だんだんと、撫子の隠された面が露わになってきた。

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【０１１】
　その晩。死体を捜すためにこっそりと家を抜け出した撫子。クチナワに導かれ、公園の砂場を掘り返し始める。
　果たして探し物は――

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【０１２】
なかった。

なんじゃそら！　∑(￣ﾛ￣|||)

　もう一ヵ所くらい当たってみよう、というクチナワの提案を「駄目。疲れた」と一蹴する撫子。だんだんと鍍金が剥げてきてる。
　掘った穴を埋め直すついでに名古屋城を作ったりして（！）遊んでいると、そこに現れたのは、暦だった。

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【０１３】
　夜中の外出がしっかりばれていた撫子。行方を尋ねる電話が月火ちゃんにかかってきて、それを聞いた暦が探しに出たのだが。

「馬鹿お前！　千石が絶滅したらどうするんだ！」

　ええー……。(￣Д￣；；

　そうして暦は家に泊まる事を提案し、月火ちゃんの寝巻を持ってくる。（ちなみに無断拝借！）
　寝床を心配する撫子に対し、「そのベッドなら、ふたりくらい寝れるから」と言い放った暦に対し、

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【０１４】
　忍が飛び出てパンチを食らわせた。

「もう少しで都条例に引っかかってしまうところじゃったわい」

　都条例ネタきた。でも一緒に寝る程度なら大丈夫なんじゃない……？

　そうして忍は撫子をしげしげと眺め、見定め、評した。

『天然で可愛い』撫子のような存在を、「魔性」と。

　そして言った。

「よかったの。たまたま可愛くて」

【エンドカード】

エロすぎだろ。

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　最後にキャラクター論が出てきましたね。
『天然で可愛い』キャラクター。はたしてそれは単純に愛玩の対象か、それとも無意識に異性を惹きつける魔性の存在か。

　『天然で可愛い系』という鍍金が剥がれ落ちた時、そこから現れる「素」の撫子はどのようなキャラクターなのか。その答えが、恐らく冒頭の結末に繋がるのだろう。