niwakaの“あくまで個人の感想です。”

その名の通り熱しやすく冷めやすい"niwaka"が、徒然なるままに色々なことを書き散らします。

黒死館殺人事件


黒死館殺人事件 (河出文庫)黒死館殺人事件 (河出文庫)
(2008/05/02)
小栗 虫太郎

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 名家・降矢木一族が暮らす、通称「黒死館」。そこから殺人の一報が入り、探偵・法水は検事・支倉と共に黒死館へと向かった。館内で捜査局長・熊城と合流して現場に乗り込むと、そこにあった遺体は栄光に輝いていて――。

 その難解な文体と、ルビだらけの特殊な専門用語が氾濫した、非常に錯綜した内容に、日本探偵小説史上における、最初の「三大奇書」に選ばれた探偵小説。

<――はたしてあなたは、これを読み終えることができるか。>



 最初に「三大奇書」を知ったのは高校生の時。『黒死館殺人事件』を書店で見かけたのは、大学生のときだった。だが当時は、冒頭の1~2頁に目を通しただけで脳がクラクラしてしまい、本を書棚に戻したのだった――。

 あれから__年。漸く読み終えることができた。恐らく、京極夏彦氏の妖怪シリーズ等、後年に発行された数多の大長編に鍛えられたからだろう。

 さて、この『『黒死館殺人事件』。読み終えた次の日には、最初の事件と、事件の終章しか覚えていなかった。その他の事件に関係する情報は全て、事件とは直接には無関係にひけらかされた学問や知識に、脳髄の奥へと押し遣られてしまった。そして、事件に関する情報を押し流した学問や知識などの情報は、脳の皺に刻まれることなく雲散霧消した。だから、最初の事件と、事件の終章しか覚えていないのだ。

 普通の読者ならば読了後に、または途中で売るか捨てるかするだろう。挑戦的な読者なら、全てを覚えようと何度も読み返すかもしれない。

 では、私は――?

 売ることもせず、捨てることもせず、かといって読み返すこともなく、本棚に納めた。

 結末を忘れた時に、再び読むために。
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