niwakaの“あくまで個人の感想です。”

その名の通り熱しやすく冷めやすい"niwaka"が、徒然なるままに色々なことを書き散らします。

熾天使の夏


熾天使の夏 (創元推理文庫)熾天使の夏 (創元推理文庫)
(2008/10)
笠井 潔

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 時代は全学共闘会議(全共闘)の終結から五年後。世界同時革命を目指し、リンチ事件の首謀者として逮捕され、刑期を終えて出所し、ひっそりと暮らしていた男に、かつての恋人から声がかかる。求めに応じ、かつての同志と再会した男は、同志から新たな革命運動への参加を求められ、男は、同志の革命思想を粉砕するために、あえて計画に乗ることにする。

 これは、矢吹駆がナディア・モガールと出会う前、「革命」という高みを目指し、「革命」に目が眩み身を焼かれ、地に堕ちた熾天使(イーカロス)の、再生の物語――。


 はっきり言って、これは推理小説ではなくハードボイルド小説、厳密には「革命」という名の観念に憑かれたテロリストを描いた小説である。だが、誰にでも現在があり、過去がある。推理小説ではなく、「矢吹駆」という「人間」に興味があるのであれば読んでほしい。これを読めば、今までとは違った観点から過去作品、特に『バイバイ、エンジェル』を捉えることになるだろう。
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テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

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