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風月文語の適当徒然

風月文語(ふうげつ ぶんご)です。適当に徒然なことを記事にします。

02-03

 ガタガタガタガタッ、と全ての窓が大きく揺れた。今まで気付かなかったが、窓の外は猛吹雪となっている。
「いやいやいやいや――、ひどい天気だ」
 黒川さんが呟く。
「あ、ナウシカだ」
 次の曲が流れ始めると、裕子がすぐに反応した。
「ホント。久石さんの音楽って、どれも素晴らしいわよね」
 そう言うと、東里さんは目を閉じた。綾瀬さんが人差し指を口に当てるのを見て、私たちも会話をしばし止める。
 ……。…………。……………………。
 ……ああ。曲を集中して聴いていると、何も気にならなくなってき
 ドアが開く音。曲に集中していた全員が、それを台無しにした人間を見やった。上下真っ白の服。髪は長すぎず短すぎず、現在では珍しい黒縁眼鏡をかけている。香葉村さんだ。
「あ、お邪魔でした、か……?」
「いや、どうしたの?」
「黒川さん、ちょっと」
 二人は奥へ引っ込んだ。会話はすぐに終わったらしく、すぐに黒川さんが出てきたが、その表情は今さっきと違って真顔だった。
「すいません、皆さん。ちょっとテーブルに移ってもらえますか。全てのお客様に伝えるべき事項が出ましたので」
 固くなった周りの空気を和らげるかのように、ジムノペディが流れ始めた。
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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