niwakaの“あくまで個人の感想です。”

その名の通り熱しやすく冷めやすい"niwaka"が、徒然なるままに色々なことを書き散らします。

花物語 (講談社BOX)

花物語 (講談社BOX)花物語 (講談社BOX)
(2011/03/30)
西尾 維新

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 “薬になれなきゃ毒になれ。
  でなきゃあんたはただの水だ”


 阿良々木暦の卒業後、高校三年生に進級した神原駿河。
 直江津高校にひとり残された彼女の耳に届いたのは、
 “願いを必ず叶えてくれる『悪魔様』”の噂だった……。

 以下ネタバレの感想なので注意。


 えーと。まず一言。
「いきなり二年後かい。」
 ついつい本棚にある銀魂(37)を見ちゃいましたよ。つーか前作のあとがきはなんだったんだ。大嘘憑き<オールフィクション>ですか。そうですか。

 閑話休題。

 まず、今回は怪異小説の皮を被った「青春小説」だったな、というのが読後の最初の感想でした。
 本人が死んでからも引き続く親の呪縛。
 クラスメイトとの何ということのない会話。
 卒業しても頼りになる先輩。
 過去につけられなかったライバルとの、1 on 1での決着。

 ――そして、一つの卒業を意味する「断髪式」。
 髪を切ってもらった先輩の最後の一言に、しんみりとした気持ちで大いにうなずきました。


○神原駿河:左腕が元に戻って戸惑い、とりあえず走って怪我をして血が出た左腕を見て泣き笑う場面。感動的な場面なのに、直後に「通報された。」で台無しに。
○忍野扇:前巻では女子高校生だったのに、今巻では男子高校生に。しかも本人は自覚している。この謎はきっちりと明かされるのでしょうか。
○貝木泥舟:…………。複雑な感想を整理し切れてないので一言だけ。「不吉な男」改め、優し過ぎて「気持ち悪い男」。
○阿良々木暦:直接登場すると色々と頼りになるキャラなのに、第三者からの又聞きだと「変態紳士」キャラに。何故だ。
○沼地蝋花との1 on 1対戦:すごく良かった場面なのに、私の脳が勝手に性別を反転させたイメージを創作したら、途端にBL臭が漂う場面に。何故だ。


 今シーズンでは全体を通して「変化」「成長」が主軸になっている、と思います。
 変われないあの子を除いて(厳密に言うなら、他世界で成長した姿は登場したのですが。)、メインのキャラクターたちが次々と変わっていってます。見た目ではなく中身が変わり、今までのキャラを形作っていた特徴が消えて普通の人になっていく、いや、成長していく。それを嫌悪するファンもいるでしょうが、私は肯定的な立場です。
 何故なら「物語」シリーズは、読者にとっては虚構の世界でも、登場人物と作者にとっては現実の世界。現実の世界では話は進むもの⇒時間は流れるものなのです。キャラクターたちも、いつまでも同じ状態ではいられない。変わっていくのです。
 これは西尾維新の完結した作品全てに言えることです。

「戯言シリーズ」の戯言遣いも巻を重ねるごとに変化し、成長しました。
「人間シリーズ」の零崎人識も巻を重ねるごとに変化し、成長しました。
「刀語」の鑢七花も巻を重ねるごとに変化し、成長しました。

 私は、各々のキャラが「変化」「成長」を続けていくことを明確に示していることで、作者が「物語」、つまりは「作品」を書かなくなってもそれは「物語」の終わりであって、「彼ら」の終わりではないことを西尾氏は暗示しているのではないか、と妄想しています。
 『零崎曲識の人間人間 (講談社ノベルス)』の「ロイヤルロイヤリティーホテルの音階」の最後はこう締めくくられています。

物語は終わる。
戦争は続く。



 これをアレンジした言葉を、この感想の“結び”とさせていただきます。

物語は終わる。
彼らは続く。

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