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適当徒然

適当に徒然なことを記事にします。

閉店前の客

 同様に、大学生の頃だ。

 当時、私はレンタルビデオ店でアルバイトをしていた。駅から少し離れている分、やや大きい店舗だった。
 その夜は、何かイベントがあって、閉店一時間前になる頃には、店内には一人の客もいなくなっていた。開店中にやるべき作業も終わってしまっていたので、もう一人のアルバイトと談笑しながら暇を潰していた。



 そうしている内に、閉店十分前を知らせる音楽が流れ始めた。
 今日は、もう混むことはないだろう、と判断して、早々に片付けと閉店準備を始めた。

 閉店五分前。
 奥の突き当たりを、我々カウンター側から向かって右から左に行く男性客が見えた。客が向かった先はアダルトビデオのコーナーだ。
 こんな日に寂しい人もいるもんだな、と思ったが、ふと、変だな、と思った。
 来客にいつでも、いらっしゃいませ、と言えるように、出入りのコーナーはカウンターから見えやすいように配置されているのだが、客が入った所を見ていないのだ。まあその時は、単に見逃した、という程度に捉えていた。

 時計の針が閉店時間を回った。先ほどの男性客はまだ出てくる気配はない。仕方がないので、私が声をかけに向かった。

 誰もいない。

 先ほども書いたように、あの男性客が来るまで店内に客は一人もいなかった。その分声をかけるために、客の出入りには少々敏感になっているし、陳列棚から目を離すときは一瞬なので、出入りした時には必ず気付くはずだった。

 もう一人のアルバイトは、帰ったのに気付かなかったんだよ、と言ったが、私は今でも、気付かないはずはないんだがなあ、と思っている。
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テーマ:心霊 - ジャンル:サブカル

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