創作物によく用いられるモチーフの一つに、「人形or人ならざるモノ」に「生命or魂」が吹き込まれる、というものがある。
ギリシア神話から。
キプロス島の王「ピグマリオン」は、自分の理想に合う女性が現実にいないので、理想の女性像を象牙で造らせた。しかしそれは彼の苦悩を深くしただけだった。これを見かねた愛の女神「アフロディーテ」は像に生命を与え、彼女が彼を愛するように計らったという。異説では二人の間には娘が生まれたそうだ。
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西洋の怪物学には、人ならざるモノ(例えば人魚)が人間になるには、地上の人間から魂を譲り受ける必要があり、その方法の一つに人間と結婚する、というルールがあった。錬金術師パラケルススは、錬金術上のシンボルとして創案した水の精ウンディーネを、人間と結婚することで魂を得る存在と性格づけた。しかし古今東西問わず、異類婚姻の結末は通常破局に終わってしまう。
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どうです? こうした視点を持つと、神話や民話に興味が出てきませんか?
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