ウェルテルタウンでやすらかに
「わたくしは安楽市を、自殺の名所にしたいのです。」
自称町おこしコンサルタントの男はそう宣った。そして犯罪小説家の私に、そのPRの一環として、安楽市を舞台にしたミステリーを一本書いてくれ、と依頼してきた。
私はその依頼を承諾した。しかし、それは彼の計画を潰すためだ。なぜなら安楽市は、私の故郷なのだから――。
過疎化の一途を辿る地方の町を舞台に、剣呑な町おこし計画を潰そうと奮闘する男を語り部にその顛末を書いたエンタメ小説。西尾維新らしく奇矯なキャラも登場するが、派手なアクションもなく全体的には大人しめ。逆に言えば、だからこそ読みやすかった。
内容と言い、話の長さと言い、舞台と言い、登場人物の数と言い、ドラマ化しやすい話。それも民放ではなく、日本放送協会の夜ドラ枠が適しているだろう。
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