十二大戦対十二大戦 (JUMP j BOOKS)
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西尾 維新 中村 光
集英社
売り上げランキング: 1,491
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十二大戦。それは、十二年に一度、十二支を司る戦士が集い争う代理戦争。しかし、今回行われる第十二回十二大戦は――
「十二名の戦争犯罪人。いわゆる十二星座の戦犯を捕らえることが、あなたがたが挑む今回の――第十二回十二大戦のテーマとなります。紳士淑女の戦士達、どうぞご存分に絆を結び、一致団結して臨んでくださいませ。望んでくださいませ。エヴリバディ・クラップ・ユア・ハンズ!」
何がどうなってこのような奇跡的なテーマになったのか。不明というより意味不明。しかし、宣戦は布告された。戦争は始まった。
孤軍奮闘する戦士。一致団結する戦士。様々に考える戦士。何も考えない戦士。それぞれがそれぞれの想いと疑念を抱きながらも、戦士達は戦犯狩りを行う。
これは、あり得たかもしれないもう一つの十二大戦。ジャイアントキリング――大逆転の物語。
以下ネタバレ注意。
終わってみれば、本当に前作の内容を百八十度ターンさせたような、大逆転の物語。
優勝した子は、開戦の前から死に、
皆殺しの天才である丑は、ただの一人も殺せずに死に、
酔い続けて正しいことをして死んだ寅は、素面のまま正しいことを何もできずに死に、
死体作りの卯は、一人もお友達ができないまま死に、
バラバラに死んだ辰と巳は、一緒に死に、
死んでも操られることがなかった午は、操られて死に、
得物である爆弾を使うことなく死んだ未は、爆弾を使い切って死に、
実力を発揮することなく交渉すらできずに死んだ申は、交渉中に死に、
逃げないことを選んで死んだ酉は、逃亡を図って死に、
じっと伏すことを選んで死んだ戌は、待てずに飛び出して死に、
最初に死んだ亥は、最後に死んだ。
殺し合う戦争のはずが協力し合う戦争になり、
たったひとりが生き残る戦争のはずがひとり残らずいなくなり、
いるはずの審判員はおらず、
生き残るための戦争は、死ぬための戦争だった。
前作があっての今作なので、前作やマンガの読者やアニメ視聴者へ向けたお楽しみ要素に重点を置いた、オマケ的作品と思えば十分な内容。
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