niwakaの“あくまで個人の感想です。”

その名の通り熱しやすく冷めやすい"niwaka"が、徒然なるままに色々なことを書き散らします。

実話怪談 出没地帯

実話怪談 出没地帯実話怪談 出没地帯
川奈 まり子

河出書房新社
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 いないはずの第三者が現れた、北大塚のラブホテル。
 江戸時代に処刑された刑罰者のように白い布で顔を隠した何者かを目撃した、目黒の邸宅の敷地内にある蔵。
 不気味な子供を見かけた、鎌倉市にある、とある未解決事件の現場。
 自身が体験したり、知人から伺った怪奇譚をドライながら生々しい筆致でつづった実話怪談集。

 現在も存在する場所もあれば、今はもうない場所もある。しかし建物はないが土地は残っている。もしそこに新たに何かが建てられたら。もし自分がそこを訪れることになったら……。
 情報が伝わらないだけで、きっと、こういう場所はもっとあるのだろう。生者・死者を問わず、人の思いが建物や土地のそこかしこに染み込み、電波と同じく、波長が合わない人間には何も見えず聞こえず感じられず、波長が合った人間の前でのみ再生される。だから同じ場所で見た人と見なかった人が出る。
 そして本書に限らず全ての怪談に通ずることだが、真にゾッとするのは、『タクシーの夜』など「なんだかよくわからないもの」の話だ。幽霊でもなく、自身の体験故に都市伝説でもなく、錯覚の類でもない。「そういうことか」と得心する結末もなく、ただ厭な気持ちだけが残る話。
 そういう話は、怖いというより、ただただ厭らしい。だからゾッとする。
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テーマ:怖い話 - ジャンル:サブカル

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