niwakaの“あくまで個人の感想です。”

その名の通り熱しやすく冷めやすい"niwaka"が、徒然なるままに色々なことを書き散らします。

VS.カシミールカレー

 ――忘年某月某日。
 千葉県柏市某所にて用事を済ませた頃には、時計の針は十二時に差し掛かろうとしていた。
 どこで昼を済ませようか――
 和?洋?中?伊?仏?露? それともファーストフード?
 ネットで適当に探すか、と思った時に思い出したのは、いつだったか忘れたが、某飲食店情報サイトで見たカレー店の情報。口コミには、そこのカシミールカレーが辛いが絶品というコメントが何件か投稿されていた。

 そうだ、インド行こう――



 記憶を頼りにあると思われる場所に向かったが、看板が見えない。こりゃ縁がなかったかと、振り返って来た道を戻り、適当な店を探そうとやや上方を見ていると、『ボンベイ』の字が。どうやらうっかり見逃していたようだ。
 中に入ると、既に何名かの客がカレーを口にしているか、カレーが来るのを待っていた。カウンター席に座り、メニューに目を通したが、何を頼むかは既に決めている。カシミールカレーだ。
 注文をし、サービスのピリ辛な前菜を食べている時に、後方の客がボンベイカレーを注文した。店の名を冠していたので気になって履いたが、店員が他のメニューより時間がかかるという説明をしていた。スケジュールが厳しい時に頼まないように覚えておこう。
 前菜を食べ終えてあまり経たず、お待ちかねのカレーが来た。色が普通のカレーより暗く、つい緊張して出た唾液を飲み込む。再び唾液を少し溜めてからルーをライスにかけ、それを口に運ぶ。 ――うん。詳しくはないが、歯ごたえのある、カレーによく合うライスだ。
 三口目でそれは来た。舌は痺れ、鼻水がダラダラと流れ出す。もはや味はわからない。辛さを冷まそうと息を吸えば、酸素と反応するのか余計に刺激が増す。汗が滲む額を指で叩きながら、口の中のものを噛んで飲み込むと、ようやく一心地着いた。しかし、カレーはまだ半分以上残っている。

 ――耐えきれずに残せば私の負け。完食すれば私の勝ち。

 非常に漫画的な思考だったが、私にとってもはやこれは、味わったり楽しんだりするものではなかったことは確かだ。
 以降は息を荒くし、鼻をかみ、ルーの中にあったじゃがいもや鶏肉を頬張り、時に付け合わせの玉ねぎの酢漬けで辛さを中和し、黙って食べ続ける。その繰り返しだった。

 ――ついに食べきった。
 安心感からなのか脱力し、自然と深呼吸になる。食後のサービスとして出された一口チョコを口の中で溶かし、いつもはブラックで飲む珈琲に角砂糖を三つも入れ、ちびりちびりと飲む。そして飲み終えると使ったティッシュの小山をポケットに突っ込み、精算し、御馳走様、と言って店を出た。
 駅へ向かいつつ思った。
 辛さで味などわからないはずなのに、これは美味いカレーと感じるのはただの錯覚だったのか、それともスパイスやら何やらで本当に美味いカレーは、味がわからなくても美味いと感じるものなのか。
 そして心残り。ライスは完食したが、ルーが少し残ってしまった。もしまた行く機会があったら、ライスは大盛りで頼もう――。
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テーマ:カレー - ジャンル:グルメ

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