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2024-02

ep04-03

「お待たせしました、雪国です。コーヒーの方はドリップしている所ですので、今しばらくお待ちください」
「うわー、きれーい!」
 私と裕子が同時に感嘆の声を上げた。カクテル『雪国』は東里さんが言った通り、雪国の美しさを表現したカクテルだった。
 舞い散る雪のようなカクテルが、縁に雪化粧のように白い粉末が施されたグラスに注がれていて、更にアクセントとして、何だろう、丸いエメラルドのようなものが沈められている。黒川さんに尋ねると、グリーン・チェリーです、と教えてくれた。
 本当に綺麗ねー、と言いながらカクテルを眺めている東里さんだが、その目は半ば虚ろな感じだ。綾瀬さんも私と同じことを感じたようだ。
「おい、大丈夫か?」
「らいじょーぶよー」
 さっきと比べて、やや舌足らずなしゃべり方になっている東里さん。カクテルを一口飲むと、自分がいかに酔っていないかを示すためか立ち上が――ろうとしてよろめいた所を綾瀬さんが抱き抱える。
「あえ?」
「ほら、もうふらふらじゃないか。もう寝よう」
「やー、エッチー」
「いや、そういう意味の、寝よう、じゃないよ」
 そう言って、東里さんの左腕を自分の首の後ろに回し、彼女の腰を持って支えると、
「いきなりでごめんね。お休み」
 そう私達に言って出ていった。
 残された私たち。アイコンタクトで、どうする、と裕子に問う。
「何か白けちゃったしー、寝る?」
 裕子の提案に乗ることにする。明日になれば天気が好転するかもしれないし。そしたらスキーもできるだろう。早めに寝て鋭気を養うのも大事だ。
 黒川さんに挨拶をして二階に上がり部屋に入ると、とりあえず勢いをつけてベッドに寝転んだ。
 はあ。今日は色々なことが起きたから、精神的にやや疲れたなあ。
 そんなことをぼんやりと考えながら天井を眺めているうちに眠気が……襲って……き…………………………………………。
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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J.Smith

Author:J.Smith
 興味を惹かれるととことんのめり込みますが、きっかけがあれば冷めるのも早いです(^^)。
 色々読んでいます。最近は読むだけでなく、実行可能なものは実践してみています。ただし、主観的なもの、プラシーボ効果、思い込み等の可能性も否定しません。

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