niwakaの“あくまで個人の感想です。”

その名の通り熱しやすく冷めやすい"niwaka"が、徒然なるままに色々なことを書き散らします。

残穢

残穢 (新潮文庫)残穢 (新潮文庫)
小野 不由美

新潮社 2015-07-29
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 きっかけは、私の所に送られてきた、一通の手紙だった。内容は怪談話で、とあるマンションの今住んでいる部屋で、不可解な異音がするというもの。単独で読むならどうということのない話なのだが、その時私は「はてどこかで読んだような」既視感を感じた。
 後日、資料の中からある怪談話を発掘、手紙の内容と要素はほぼ同じ、住所も同じ、ただ部屋番号が違っていた。

「部屋ではなく、マンション自体に何かあるのか…?」

 興味本位で調べてみると、マンション自体には過去に何も起きてはいず、怪異の発生はマンションだけにとどまらないことが判明。マンションが建つ前、その前、その前と過去に遡って辿り着いた、"全ての始まり"とは――?


 過去から現在へと至る、人と土地の関係性の推移と、それに因る"穢"の感染拡大の恐怖を描いた、ドキュメンタリータッチの怪談小説。怪談小説ゆえに、ホラー小説特有のカタルシスや盛り上がりはないが、ホラー小説にはない独特の恐怖に満ちているので、ホラーが好きな人は要注意。
 この本の恐ろしさは、手紙の送り主を容易に自分自身に仮託できることだ。今住んでいる場所には何も起きていない。では次の引っ越し先では何かあるのではないかという不安を植え付ける。新居・新築でも安心できなくなる。だが穢を恐れるばかりではとても生活できない。穢を恐れ意識しつつ生活しなければならない。もう、気付いていなかった頃には戻れないのだから。

 そしてこれが映画化されるということに不安を感じている。といっても"霊"や"穢"の類の不安ではない。ある程度は改変や省略するにしても、大凡100年に亘るこの物語を、はたして2時間前後で収められるのか、という不安である。どこかで見たような恐怖描写が所々で出てくるような映画にだけは、しないでほしいものだ。
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テーマ:ホラー - ジャンル:本・雑誌

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