![]() | 名演の陰に名プロデューサーあり:ア・デイ・イン・ザ・ライフ (JAZZ100年 3/3号) (2015/02/17) 不明 商品詳細を見る |
《『JAZZ100年』完結後にCDを集めようと考えている初心者にうってつけの内容。》
プレーヤー、曲調(ジャンル)に続き、CDの三番目の選び方。それがプロデューサー(レーベル)。
音楽のジャンルを問わず、「ミュージシャン」で選ぶだけでなく「プロデューサーは誰か」を意識して選ぶようにすると、自分の「音楽的傾向(好み)」が解るかもしれない。
それは、ハズレを引く確率を小さくし、アタリを引く確率を大きくすることにつながるはずだ。
いや、もしかしたらそれは音楽だけに留まらず、全ての販売品に言えることかもしれない。
以下、収録曲の感想。
1.スニーキー・ビート/リー・モーガン
発表されないまま倉庫に眠っていたテープの中から発掘された、未発表の曲。
こんな良い演奏が日の目を見ずに眠っていることがあるのか、と目を丸くした。
2.ソニームーン・フォー・トゥー/ソニー・ロリンズ
こんなに臨場感のあるサウンドが生音じゃないのか。
ロックからポップス、クラシックまで、現代で出回っているライヴ盤にも、こうした裏方やプロデューサーの努力や苦労や工夫の痕が、探せばあるのだろうか。どうしたら見つけられるだろう?
3.エアジン/マイルス・デイヴィス
ミュージシャンに任せて成功する演奏もあれば、プロデューサーが管理することで成功する音楽もある。この曲は前者の典型だが、古今東西を問わず、前者と後者の選択を間違えてお蔵入りになった曲もあれば、鳴かず飛ばずのまま消えたミュージシャンも多いんだろうなぁ。
4.ダーク・アイズ/ディジー・ガレスピー
21号のテーマだった「ミーツもの」。手練達による演奏のバトル・ロワイアルは、極めて平和的かつ友好的ながらも和やかとは決して思えない。まあ、楽器を用いた異種格闘技戦なのだから、当然と言えば当然か。
5.『危険がいっぱい』のテーマ/ジミー・スミス
23号のテーマだった「ビッグ・バンド」でジャズの衰退を防いだプロデューサーの発想と手腕に脱帽。
どの業界でも、業界全体で転機を迎えた時期に伸びたり目立ったりする人がいる。そういう人こそ、良い人生を生きる上で参考にすべきなのかもしれない。
6.ラウンド・ミッドナイト/セロニアス・モンク
腕は良いけど知名度が低いミュージシャンを発見して売り出すのもプロデューサーの仕事の一つ。
曲を聴きながら解説を読んでふと思う。
「もしモンクがプロデューサーに見出されていなかったら、どうなっていただろうか?」
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