niwakaの“あくまで個人の感想です。”

その名の通り熱しやすく冷めやすい"niwaka"が、徒然なるままに色々なことを書き散らします。

ハロウィン


ハロウィン Extended Edition [DVD]ハロウィン Extended Edition [DVD]
(2012/02/10)
ドナルド・プレザンス、ジェイミー・リー・カーティス 他

商品詳細を見る


 1963年のハロウィンの夜に、少女がめった刺しで殺された。犯人はなんと、まだ6歳で実の弟のマイケルだった。
 マイケルの特異性から後日、彼の精神病院への移送が決定される。事件直後から移送直前まで彼を担当していた医師のルーミスは、厳重警備の病院への移送を進言したが却下される。

 そして、それから15年の月日が経ち――。
 1978年のハロウィン前日の夜、出廷日である21歳を迎えたマイケルは、精神病院を脱走し、行方をくらませた。“SISTER”の文字を残して――。
 翌、ハロウィン当日。マイケルが暮らしていた町に住む学生のローリーは、日中から大柄の不審者に付きまとわれていて、少しずつ恐怖を募らせていた。不審者ことマイケルは、少しずつだが確実にローリーとの距離を縮め、近づいていく。一方ルーミスもまたマイケルを追って、町を訪れていた。
 ローリー、マイケル、ルーミスの鬼ごっこの結末や如何に。

 静かに近づいてくる決して理解できない恐怖を描いた、伝説のホラー映画。
 以下、ネタバレ有りの感想。


 前情報を一切消し去り、まっさらな状態で映画を観ると、この作品が複数の恐怖で構成されている、と思いました。
 序盤は視聴者の理解の範疇を超えている“精神異常者”に対する恐怖。
 中盤までは、静かに、そして確実に標的に近づいていく“ストーカー”に対する恐怖。女友達が運転する車にピッタリ付け追尾するマイケルと、話に夢中でそれに最後まで気付かないローリーたち。あのシーンにはかなり厭な粘っこさがあり、人によってはかなり嫌悪感を感じると思います。
 後半は、ついにマイケルがローリーの友達を屠っていく場面。単純に“殺されること”に対する恐怖ですが、これは殺害方法や演出は至ってシンプルで、それらに対する生理的な恐怖はあまりありません。むしろ怖いのはその先、殺害が終わり、不審に思ったローリーが友達の家に行こうとしてからです。
 まず、家から家までの距離が思っているより長い。つまり遠い。向かいの家に行くだけなのに、都会から郊外の一軒家に向かっているような雰囲気なのです。
 次に、マイケルに襲われて逃げるローリーは外に脱出し、明かりが灯っている家に助けを求めます。しかし住人はハロウィンの悪戯かと思ったのか、関わりを避けたいと思ったのか、彼女の助けを無視してブラインドを閉め、明かりを消してしまうのです。一度窓から彼女の姿を確認しているにもかかわらず、です! これは“住宅地で襲われる”という恐怖に他なりません。実感がわかない人は、住宅地をマンションやアパートのような集合住宅に置き換えてみてはどうでしょう。自分と同じ場所に住んでいる人が緊急時に助けてくれない。これはかなりの恐怖感と絶望感があります。
 終盤、ローリーとマイケルは取っ組み合いになり、はずみでローリーはマイケルがかぶっているマスクを剥がすのですが、現れた素顔はごく普通の顔。奇形でもなく、火傷も傷跡もなく、どこにでもいる、ごく普通の青年の顔です。見たこともない、だがどこにでもいるようなごく普通の人間に付きまとわれ、理由もわからず殺されようとしている。ここでは再び“精神異常者”そして“ストーカー”に対する恐怖が出ているのです。
 そして、マイケルがローリーをしつこく狙う理由は最後まで明かされません。彼女がマイケルの姉または妹であるということを仄めかす描写も一切ありません。病室に残した文字から、マイケルが「姉を殺す」という妄想に駆られ、半裸の状態で家の中をうろついたり男とセックスしたりする女性、または姉に特徴が似た女性を殺す事に執着するという想像もできますが、はっきりと明示されることはありません。
 続編が作られていく内に「実はローリーはマイケルの妹である」など、設定も後付けされていきますが、一作目だけ観れば、人間でありながら理解不能な人外であるマイケルに対する、「何故そんなことをするのか」という“わけのわからなさ”に対する恐怖が全体にあるのです。
 この映画、一人暮らしの若い女性が観ると、他人ごととは思えない、かなり生々しい恐怖を感じると思います。

 最後に、静かな、しかしこれから惨劇が起きる予感をはっきりとさせるような、美と恐怖、双方のイメージを併せ持った印象的なオープニング曲もまた良かったです、と付け加えておきます。
スポンサーサイト

テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://publicoenemy.blog60.fc2.com/tb.php/1117-ef6b018f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad