niwakaの“あくまで個人の感想です。”

その名の通り熱しやすく冷めやすい"niwaka"が、徒然なるままに色々なことを書き散らします。

終物語 (下)


終物語 (下) (講談社BOX)終物語 (下) (講談社BOX)
(2014/04/02)
西尾 維新、VOFAN 他

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“それがきみの――青春の終わりだ”

大学受験当日の朝、北白蛇神社へ向かった阿良々木暦。
彼を待ち受けていたのは、予期せぬ笑顔と最終決戦の号砲だった――。
すべての<物語>はいまここに収束する……

青春は、「僕」がいなくちゃはじまらない。


 以下、ネタバレ全開の感想。かなり長いよ!


 第五話「まよいヘル」、第6話「ひたぎランデブー」、第7話「おうぎダーク」……って。

増ーえーてーいーるー。


 どんだけノリノリで筆が進むんだ、作者。しかもこの後に『続・終物語』が控えているし。


『まよいヘル』
 我煙さんに切り刻まれ、受験当日に落命した暦。目を覚ますと、眼前にいたのはもうこの世にはいないはずの少女だった――。

 我煙さんが暦を切り刻んだのは、彼から「吸血鬼化進行」という病巣(?)を切除するためだった。
 忍がハートアンダーブレードとして復活することは想定内だったが、あの世から八九寺を連れ戻してしまうというミラクルファインプレーは想定外。まさか八九時が鬼札(ジョーカー)になるのか?

 二十九頁の「噛みまみなみさみなみわみあみやみたみはみらみ」は果たしてアニメ化の際に忠実に再現されるのか。加藤英美里さんの口と舌は無事で済むのか?
 そしてニコニコ動画の「実際にやってみた」シリーズに、新たに「言ってみた」が新しく加わるのか?


『ひたぎランデブー』
 受験後、阿良々木宅前で暦を待ち構えていたひたぎ。その目的とは――。

 つーわけで、デート回。デートの件とか免許の件とか忍野(メメ)の件とか、相変わらず彼氏を翻弄しまくり。ついでに夢の中やデート後には忍野(扇)が暦を翻弄しまくり。
 そして、ここで言及されているが、二人のキーパーソン、我煙伊豆湖・忍野扇。それぞれのファイナル・デスティネーション/最終目的地、最終の目的は未だ不明。二人は結局何をどう終わらせたいのか。
 そして、基本的に困っている人を放っとけない暦は、忍や羽川、ひたぎや八九寺の時と同様に、忍野扇が危機に陥ったら助けるのか。それとも……。


『おうぎダーク』
 ひたぎさんとのデート後、暦が公園に向かうと、専門家と吸血鬼と幽霊が一緒に遊んでいた。
 シュールだー。画像化すると違和感しかない。

 我煙さん。皆を集めて「さて」と言い、改めて事実関係の解説を始めた。
 ここからの暦は、察しの悪い読者代表と言ってもいい扱いだ。そして読者たるも暦と同じくらい、または彼以上に察しも記憶力も悪いため、この解説はありがたかった。

 当初は予定通りに忍を神に仕立てる予定だった我煙さん。しかし暦の想定外の行動によりプランを変更、なんと八九寺を後釜に据えようとした!
 『憑物語』のレビューで、私はこう記した。

 撫子が神から人へと降ろされたことで、神社は今また霊的エアポケット状態となりつつある。もし『花物語』がルートAであった場合、その時点で忍もまた忍として存在していることになるのだが、もし、忍が撫子から引き継いだのが、「可愛そうかつ可哀相な役回り」だけではないとしたら。
 忍野扇の目的――目標点は、全てが「ちゃんとしている――きちんとしている」状態に成っていることである。とすると、【全てが「きちんとしている」】状態というのは、【忍が「神」として祀られる――「神」役としてキャスティングされている】状態ではないだろうか。
 『鬼物語』において、忍――ハートアンダーブレードは、神を装ったゆえに【くらやみ】に追われたエピソードを伝えた。【くらやみ】は「正す力」だから、正しい方法・手段で「きちんと」神として祀れば、【くらやみ】は現れないことになりはしないだろうか。
 暦が「ちゃんと」人間に成るために、忍を「ちゃんと」失う。だが繋がり(リンク)は失われるが、神として祀られる為、忍が消えて失くなる事はない。

 残酷かどうかは別として、おそらく、これが暦がすべき、最大かつ最後の「清算」なのだろう。だが、「物語」を書いているのは、あの【西尾維新】である。大半の読者がそう読むのを承知の上で、その予想を超える展開を出してくるに違いない。


 素直に忍を神様に据えてはこないよな、とは思っていたが、まさか八九寺が神候補になるとは。斧乃木ちゃんだと思っていた。
 「ナメクジ真宵」って初出はどこだっけ、とgoogle検索すると、トップに成人向け同人誌が来た。
 「ナメクジ真宵」って初出はどこだっけ、とgoogle検索すると、初出は副音声、次いで『鬼物語』。

 忍野扇は『くらやみ』ではない可能性を示唆した暦に対し、あっさり「知ってる」とのたまった我煙さん。それを受けて、「てっきりそうだと思い込んで、伏線を張りまくちゃったよ」と悪びれずに言う斧乃木ちゃん。

そうだね、見事に惑わされたよ。
斧乃木ちゃんに、ではなく、作者に。


 では『くらやみ』でなければ、忍野扇は『何』なのか。我煙さんは言う。

「彼女は普通の――化物だ」そして「あの子の正体は――」

 一方、忍野扇は月火ちゃんを言葉巧みにかどわかし、とある場所に連れて行く。するとそこには暦が。扇は月火ちゃんを帰宅させると、暦と対峙する。そして、暦は言った。

「きみの正体は、僕だ」

(; ̄Д ̄) !?


 忍野扇は阿良々木暦の影であり、陰だった。内に秘めていた阿良々木暦の自己批判的、自虐的、自罰的な精神面、つまりは暗黒面/ダークサイドが顕在化し、顕現した姿が忍野扇だった。だからこそ『おうぎダーク』

 扇の正体を明らかにした途端、出現する『くらやみ』。別れの言葉を交わし、扇が『くらやみ』に呑まれる様を黙って見届け――

られないのが、こよみん!
なんと扇ちゃんまで助けちゃった!


 この事態に感情を乱す扇ちゃんがなんか可愛い。これが「ギャップ萌え」というやつか?
 そして更に、待ちに待った、アロハ服を着た、中年のおっさん、忍野メメが再登場!
 さすが専門家、たった「一言」で、『くらやみ』を消してしまった――。

 そして三月十五日。今日は卒業式。

 千石撫子は漫画家を目指し、
 阿良々木月火は千石と行動を共にすることにし、
 阿良々木火燐は高校生に、
 八九寺真宵ははれて神様に、
 忍野忍は三度ペアリングを繋いで暦の影の中に、
 忍野扇は忍野扇と成り、
 斧乃木余接は暦の自宅、
 大人たちは何処かへと去り、
 神原駿河は進級し、
 羽川翼、戦場ヶ原ひたぎ、そして阿良々木暦は本日を以って卒業――。

 これで全て丸く収まった、のかな?
 これで完結にしても良いぐらいに気持ちいい終わりだったなー。でも『続』があるんだよなー。

 ……ん?

 『花物語』で、忍野扇は男子の格好をしていたよな。
――どちらの分身なんだ?
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