体位の文化史
神話や歴史上の人物の名が冠された体位がある!
西洋では《宣教師》、日本では《本手》と呼ばれていた体位は■■■!
人に限らず哺乳類全般でプレイが確認されている性技とは!
古今東西の性典や資料を収集し、豊富な図版と共に体位や性技の歴史をたどる、フランス発セックス事典!
付録として性に関する表現語一覧に、18世紀末にフランスで秘密裏に刊行されたセックス指南本『フランス四十手』と、江戸時代に日本で刊行されたセックス指南本『性技四十八手』を収録。
日本もそうだが、とろ火で煮込む、笛を調律する、など昔のフランスの性表現もなかなか豊か。当時の偉人や歴史上の人物がどのような行為に及んでいたのか夢想するのも楽しい。奇を衒ったようなアクロバティックなものもあり、官能小説からポルノグラフィーまで、創作する人にもお薦めしたい小ネタ満載の性文化の事典。
男女交際進化論 「情交」か「肉交」か
福沢諭吉は「男女交際」という言葉を創作し、「健全な男女交際においては"情交(精神的文化的交わり)"と"肉交(肉体的な交わり)"、このどちらも重要である。」と説きました――。
なぜ学校には男女交際に厳しい校則があるのか。なぜ性教育で「セックス/性行為」を教えることに反発が起きるのか。その大元は明治時代の近代教育制度にあった!
当時の教育者や知識人によって醸成されていった、男女交際思想の成り立ちを解説した著書。
平たく言うと、彼らなりに生徒の健全なる成長と社会秩序のために男女交際を制限する理念、つまりは校則を設けて、更に「肉交」を下位視し「情交」を上位視する教育者や知識人が多数派だったことが現代の性教育にまで影響していて、そしてその根本には武家的男尊女卑思想の名残だったり仏教やキリスト教といった宗教思想の名残だったりが含まれている、と。
しかし現実には「肉交」を排除する教育は所謂「無知シチュ」的な性犯罪を助長する要因にもなったわけで(「大野博士事件」など)、現代日本でも情交と肉交をセットにした性教育に反対する人がいますが(「性教育反対運動」「はどめ規定」)、そろそろ文部科学省は方針を転向してもいいのではないでしょうか。
ということで、校則の成り立ちや近代日本の恋愛史観に興味がある人に薦めたい本です。
※併せて読んでほしい本
(大正時代の性教育論)
・アリエナイ医学事典/亜留間次郎
(地方から見た性風俗の実態)
・夜這いの民俗学/赤松 啓介
・盆踊り 乱交の民俗学/下川耿史