グラーキの黙示1
クトゥルフ神話の啓蒙に努めたダーレスに才能を見出された作家ラムジー・キャンベル。ダーレスの指導により、彼は生まれ育ったイギリスに、ラヴクラフトのように架空の都市を作り上げ、そこを舞台に様々なクトゥルフ神話作品を創作した。本書はキャンベルの初期クトゥルフ神話作品集である『Cold Print』の完全邦訳版である。各作品の邦訳はこれまでも出ていたが完全邦訳は初であり、これは、これまで一品料理でしか味わえなかったものを、初めてコース料理で味わえるようなものだ。
前半である本書には、全21篇の内11篇を収録している。以下、ちょっとだけネタバレありの各話感想。
前半である本書には、全21篇の内11篇を収録している。以下、ちょっとだけネタバレありの各話感想。
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ゾティーク幻妖怪異譚
遥か未来――。
太陽は衰えて弱まり、物質文明、技術、宗教は衰退して、精神文明、魔術、新たなる宗教に取って代わられた。
大陸は水没して、残った陸地は群島となり、その中で最も規模の大きい群島の地域はゾティークと呼ばれていた。
本書は地球最後の大陸ゾティークを舞台に、魔術や降霊術が横行し、妖術師らが術を競う話が集められた連作短編集である。後にクトゥルフ神話に取り込まれることになる、食屍鬼の神が登場する『死体安置所の神』や彗星に乗って地球外からやって来た魔物が登場する『墓の落し子』など、17篇を収録。
グロテスクながらも詩的な描写。予言や神々、運命に抗いながらも翻弄され、哀れな最期を遂げる登場人物たち。淡々と、しかし肝心な所は無駄なく克明に綴られる物語。ハイ・ファンタジーが好きな人ならきっと気にいるだろう。
太陽は衰えて弱まり、物質文明、技術、宗教は衰退して、精神文明、魔術、新たなる宗教に取って代わられた。
大陸は水没して、残った陸地は群島となり、その中で最も規模の大きい群島の地域はゾティークと呼ばれていた。
本書は地球最後の大陸ゾティークを舞台に、魔術や降霊術が横行し、妖術師らが術を競う話が集められた連作短編集である。後にクトゥルフ神話に取り込まれることになる、食屍鬼の神が登場する『死体安置所の神』や彗星に乗って地球外からやって来た魔物が登場する『墓の落し子』など、17篇を収録。
グロテスクながらも詩的な描写。予言や神々、運命に抗いながらも翻弄され、哀れな最期を遂げる登場人物たち。淡々と、しかし肝心な所は無駄なく克明に綴られる物語。ハイ・ファンタジーが好きな人ならきっと気にいるだろう。