愛しのペット―獣姦の博物誌
獣との交わり。それはA(キス)までなら微笑ましいが、B(ペッティング)、C(エッチ)まで進むとなると――?
そのムラムラは愛情か性欲か。神話から現代まで、史料を掘り起こすことで露わになった、獣との交わりの歴史とは――。
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『獣姦の博物誌』という副題だが、動物×動物や異種交配によるミックスの話題なども取り上げており、全体としては獣姦というより異種姦の要素が強く、ややとっ散らかっている感はあるが内容の幅は広い。
他方、農村や田舎で起きていた獣姦を契機とすると思われる、都会での動物愛護運動の始まりが所謂「上流階級の上から目線的な罪滅ぼしの感情」由来であり、運動に参加することは教養があることの証明であり上流階級に属する者としてのステータス(証し)でもあったというエピソードは、他のある種の啓蒙を推進する様々な運動や団体との共通点があって興味深かった。
本書には取り上げられていないが、日本にも獣姦を罪とした記述がある古事記や漁師とエイの交わりの話がある説話集などがあり、こういうことは東も西も変わらないのだと苦笑いしながら読了。
そのムラムラは愛情か性欲か。神話から現代まで、史料を掘り起こすことで露わになった、獣との交わりの歴史とは――。
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『獣姦の博物誌』という副題だが、動物×動物や異種交配によるミックスの話題なども取り上げており、全体としては獣姦というより異種姦の要素が強く、ややとっ散らかっている感はあるが内容の幅は広い。
他方、農村や田舎で起きていた獣姦を契機とすると思われる、都会での動物愛護運動の始まりが所謂「上流階級の上から目線的な罪滅ぼしの感情」由来であり、運動に参加することは教養があることの証明であり上流階級に属する者としてのステータス(証し)でもあったというエピソードは、他のある種の啓蒙を推進する様々な運動や団体との共通点があって興味深かった。
本書には取り上げられていないが、日本にも獣姦を罪とした記述がある古事記や漁師とエイの交わりの話がある説話集などがあり、こういうことは東も西も変わらないのだと苦笑いしながら読了。
ネクロノミコン
王の娘に手を出した罪で顔を切り刻まれ、男根を切り落とされ、砂漠に放逐させられた詩人アルハザード。彼は正気を失いながらも砂漠の小動物を食らい、死霊や魔物らから知識を得ながら、喪われたものを取り戻すために各地を放浪した末に、得た知識の集大成として纏め上げた魔導書がネクロノミコンである。本書はその希少かつ不完全な魔導書の復元及び現代語訳を試みたものである――という体のカルトブック。これまでラヴクラフト等の作品内で断片的に登場してきた情報を纏め上げ、そこに独自の設定を追加してオカルティックな読物に仕上げている。
その内容はまさに涜神的かつ幻想的で、ネクロノミコンを愛読書にしていた『猟犬(魔犬)』の二人組の気分を味わうことができる。ローマ神話の七曜の取り入れなど、設定を新たに追加したことで神格の利用の幅が更に広がっているので、TRPGのシナリオにネクロノミコンを活用したいと考えている人にもオススメしたい。
その内容はまさに涜神的かつ幻想的で、ネクロノミコンを愛読書にしていた『猟犬(魔犬)』の二人組の気分を味わうことができる。ローマ神話の七曜の取り入れなど、設定を新たに追加したことで神格の利用の幅が更に広がっているので、TRPGのシナリオにネクロノミコンを活用したいと考えている人にもオススメしたい。