琉球怪談作家、マジムン・パラダイスを行く
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沖縄に纏わる不思議な話に特化した『琉球怪談』を世に出した怪談作家、小原猛氏がこれまで行ってきた取材に関する裏話を大公開!
語られた怪談・昔話の裏に潜んでいた事実。
沖縄で生活していると「あるある」なこと。
信用していいユタと信用してはいけないユタの区別の仕方。
怪談集ではなくエッセイという体裁なので、怪談集では読めない、実体験に基づく著者のユタや沖縄怪談や沖縄そのものへの付き合い方・考え方が綴られている。
後半はマジムン(妖怪の類)を軸に、著者なりの沖縄民俗の考察が綴られている。一部は本土または世界の昔話にも共通するロジック・パーツもあって、齧っている人なら「ん、これはあれと類似しているのでは?」と思う人もいるかもしれない。
きっと沖縄には、埋もれていたり戦争で途絶えてしまったりした話や史実がまだまだあるに違いない。著者には怪談と一緒にこういうものをこれからも採集して考察を進めてほしい。
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物語の法則
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読者や視聴者から高く評価される物語の特徴は何か? それは、「彼らを退屈させないこと」だ!
ハリウッドで数々のストーリー開発に携わったコンサルタントと、友人で映画学の講師が教えるハリウッド式ストーリー創作ハウトゥー本。
この本で解説されている、物語を面白くするポイントだが、映画や漫画や小説に限らず、同人誌や動画投稿サイトのMMDドラマや手書き劇場といった二次創作でも、面白いと高く評価される作品にはいずれもそのポイントが少なからず盛り込まれていることに、この本を読んでから見返すと気付かされる。製作者の何割かは無意識にストーリーに組み込んでいるのかもしれないが、どちらにせよ、そのポイントがあるから面白く感じるのだ。
読者や視聴者ならこの本を片手に、好きなら面白かった作品のどこが本で解説されているどのポイントに該当するのか、面白くなかった作品はどのポイントを盛り込めば改善できたかを考えてみてもいいし、創作を嗜んでいる人なら、自分の作品に足りないポイントは何かを確かめるために読み込むのもいいかもしれない。
虚実妖怪百物語
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シリア砂漠に現れた、旧日本兵の格好をした日本人。彼が去った跡には、未発見の遺跡が残されていた――。
所変わって日本。水木先生が「目に見えないモノがニッポンから消えた」と騒ぎ出したのを皮切りに、見えないはずのモノたちが日本各地を闊歩するようになり、反比例して人々に狂気が蔓延し始めた。
日本中から寛容さや余裕といったものが消え失せ、犯罪や刃傷沙汰がそこかしこで起き、その原因が妖怪の仕業であることにされ、多かれ少なかれ妖怪に関わった者達は糾弾の対象にされていく。
荒俣宏や京極夏彦ら、妖怪が好きな「だけ」の『妖怪馬鹿』達は日本中から迫害されつつも、事態打開を図って右往左往。黒幕である謎の日本人の思惑と正体は。そしてこの狂騒劇の行く末は果たして。
実在の著名人、妖怪・怪談関係者が登場人物の殆どを占める、世にも奇妙な妖怪小説。
登場人物たちは窮地に立たされるわ人死は出るわで事態は深刻なのだが、登場人物の大半がどうしようもなく“馬鹿”なので、事態は悪化の一途を辿っているにも関わらず、終始緊迫感と盛り上がりに欠けるぐだぐだ展開。そこが馬鹿馬鹿しく面白いのだが。
美男美女も出ない、オッサンと架空の存在たちが大騒ぎするだけのメタフィクショナルな、一風変わったライトノベルと思って読むといいのかも。
銀魂―ぎんたま― 66
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星海坊主との激戦後、銀時ら反乱分子を放置して撤退を始めた虚率いる奈落と春雨。しかし一人残った朧が、己の残り僅かの生命をかけて晋助と一騎討ち! そして朧の口から語られる、吉田松陽がいかにして虚になったか、そして虚の最終目的とそれを遂行するための計画の全貌とは――。
様々なものを失い、様々なものを得て、様々なボケとツッコミと紆余曲折を経て、ついに侍の最後の戦いが始まる!
以下ネタバレ含む感想。