「ジャズの巨人」 2015年 4/21 号
![]() | 隔週刊CDつきマガジン 「ジャズの巨人」 2015年 4/21 号 マイルス・ディヴィス [雑誌] (2015/03/31) 不明 商品詳細を見る |
う~ん……。
正直、前シリーズの「JAZZ100年」と比べると、どうしても見劣りしている感じ。
まずそういう趣向なのだろうが、全ての記事がメインであるマイルス“一色”で、しかも全体的に白いのでどうしても読み応えに欠ける。
収録曲も、8曲中2曲が「JAZZ100年」収録分と重複している(録音時期まで!)。
「JAZZ100年」ではジャズ全般を学習できるものの、名プレーヤーについては表面だけなぞる程度だったので、彼らをもっと知りたい・聴きたいという人はこの「ジャズの巨人」にも手を伸ばすべきでしょう。
「JAZZ100年」と「ジャズの巨人」の内容を足して2で割ると、同じ出版社が刊行している「クラシックプレミアム」のように、程よいバランスでかつ読み易い内容に仕上がっていたかも。
まあ、CDに収録されているマイルスの演奏は、本誌の内容とは無関係に良いものばかりなのですが。
まだ創刊号ということで、次号以降に期待。
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クラシックプレミアム 2015年 4/14 号
![]() | CD付マガジンクラシックプレミアム 2015年 4/14 号 [雑誌] (2015/03/31) 不明 商品詳細を見る |
《エルガーの『威風堂々』は、当時の人々にとってブリテン・クラシック再興を思わせるに相応しいファンファーレだったかも。》
19世紀は大英帝国発展の世紀だった。
ナポレオン軍に勝利し、鉄道が開通し、植民地運営は好調で、博覧会が催されるほど英国は潤っていた。だが、音楽界においては伸び悩みが続いていた。
そんな英国音楽界に現れた救世主の一人がエルガーだった。20世紀に入った直後に披露された《威風堂々》第1番を聴いた聴衆の多くは、その名に相応しい威風の行進曲に「ブリテン・クラシック再興」という言葉が脳裏に浮かんだことだろう。
第1番は最も有名な曲だが、2番以降も当時「大英帝国」と呼ばれた国に相応しい、威厳と気品に満ちた曲だ。普段クラシックに馴染みのない人こそ聴いてほしい。
もう一つ収録されているのがホルストの組曲『惑星』。その内容は幻想的、というよりも魔術的(マジカル)で宇宙的(コズミック)。1曲1曲がそれぞれ主張が激しいにもかかわらず、全体として聴くと太陽系のように見事に調和が取れていると思ってしまう。
聴きながら目を閉じて、それぞれの惑星を思い浮かべると、想像の宇宙旅行をしている気分になってくる。
ただ、想像力豊かな人は、海王星の半ばからは目を開けて聴いていた方がいいかも。
目を閉じたまま聴き終えると、そのまま未知の深宇宙までワープして連れて行かれる。そんな気分になって恐怖を覚えてしまうかもしれないから。
人生が大河ならば 人は雑魚
常に跳ねて波紋を広げ 流れを変えようとすれど
小流変わり 大流変わらず
然れども 波を起こさなければ
変化自体起こらず
大流を変えたければ 雑魚が多いことに越したことはない
(井上 和音)
テーマ:名言・格言・ことわざ - ジャンル:学問・文化・芸術
今しか考えない者に、未来は必ず牙を向く。
画面ばかり見ていれば眼が悪くなり、
髪を弄れば薄くなり、
(中略)、
好きに食べれば生活習慣病に罹り、
資源を消費すれば環境が悪くなる。
結局の所、未来を意識しないということは、未来の自分を不幸にすることと同義である。
(J.クロイツフェルト)
テーマ:名言・格言・ことわざ - ジャンル:学問・文化・芸術
脳と心―「心」はどこにあるのか
![]() | 脳と心―「心」はどこにあるのか (ニュートンムック Newton別冊) (2010/10/27) 不明 商品詳細を見る |
母親のストレスが、胎児の脳に影響を与える?
幼少期のストレスや心の傷によって、子供の脳の発達が、そして心の発達がメチャクチャになる?
幼少期のケンカやケガや事故は、実は子供の成長に必要不可欠?
脳の中は未解明の謎で一杯、だけど解明できたことも増えてきた。
形成や伝達といった基本的なことから外的環境が子供の脳に与える影響、実は根拠が曖昧な脳にまつわる俗説・迷信まで、2010年の時点で明らかになった脳のあれこれを易しく解説。
自分だけでなく、親や子供や友人や同僚を助けるのに役に立つかも。 特に親になった人、これから親になる人必読、か?
「怖い絵」で人間を読む
![]() | 「怖い絵」で人間を読む (生活人新書) (2010/08/06) 中野 京子 商品詳細を見る |
ベラスケスの『王子』に散見される“死”の予兆とは?
ヴィンターハルターの美しすぎる『皇后』の、その顔をよくよく見ると?
グリューネヴァルトの『祭壇画』の、痛々しい描写がもたらす“救い”とは?
肖像画に風景画に宗教画。絵画には色々な種類があります。画のタッチや使用した画材など、“美術の眼”で観るのも一つの見方ですが、“時代の眼”で絵画を観ると、見えてくるのは生々しくも悍ましい“現実”……?
運命、狂気、救済など8つのテーマごとに、『怖い絵』シリーズでは取り上げられなかった作品も含めて33点の絵画を解説した絵画ガイドブック。
予備知識無しで絵画鑑賞をして、見当違いの感動を抱くか。予備知識有りで絵画鑑賞をして、正しく恐怖と感動を得るか。あなたはどちらを選びますか?
JAZZ100年 3/31号
![]() | 男声の名歌:この素晴らしき世界 (JAZZ100年 3/31号) (2015/03/17) 不明 商品詳細を見る |
《男性ヴォーカルの魅力は「渋さ」と「色気」》
今号は現代曲やアイドル曲に食傷気味の女性にぜひ薦めたい。
その歌声は、きっと女性の心をくすぐったり慰めたり癒してくれたりするだろう。
以下、収録曲の感想。
クラシックプレミアム 2015年 3/31 号
![]() | CD付マガジンクラシックプレミアム 2015年 3/31 号 [雑誌] (2015/03/17) 不明 商品詳細を見る |
《バロック音楽はコンサート会場よりも個室が合うかも?》
「特権階級のための音楽」というイメージから「モーツァルトやベートーヴェンよりも馴染み難いかも…」と思いきや、これがとても素人の耳にもよく馴染む。これはコンサート・ホールがまだ存在せず、館の大広間や一室など、比較的狭い場所が主な演奏の舞台だったからだろうか。
バロック音楽は案外、一人部屋や居間などで聴くのに適しているかもしれない。
あと8bit音楽で青春を過ごしたFC世代にもぜひ薦めたい。牽強付会でしょうが、チェンバロの特徴にそこはかとなく8bitに通ずるものを感じるんですよ。
1.《テ・デウム》
解説にもある通り「いつか何処かで聴いたことがある曲」。でも「いつか何処か」が全くわからない。
2.《カノン》
時々聞こえるスタッカートが雨天時の雨だれのように、味を引き立てるスパイスのように曲を見事に盛り上げている。
何か物足りなさを感じる《カノン》は、このスタッカートがないからかも。
4.《恋の夜鳴きうぐいす》
聴き比べてみると、確かに鳥の鳴き声の特徴と曲調が似ている……かな?
ぜひ動画投稿サイトにて鳴き声を聴いてみてほしい。
5.〈めんどり〉
ああ、これは確かに〈めんどり〉だわ。(^^) 《夜鳴きうぐいす》よりは判り易い。
20.〈ハレルヤ・コーラス〉
アーノンクール指揮による、信者でなくとも神聖さを感じると共に気分が高揚してくる名曲。
しかし、なんでこれだけ歌詞対訳がないんだろう?
直球で邪道で科学的なカクテルを作ってみたよ!
悲録伝
![]() | 悲録伝 (講談社ノベルス) (2015/02/26) 西尾 維新 商品詳細を見る |
ルール違反は即死につながる“四国ゲーム”を生き延び、紆余曲折を経て、ついに合流した8人の男女。
“英雄”が語る、目指す“エンディング”――望ましい終わり方に困惑を露わにする、悲恋を除く思想も、能力も、思惑も、全てが異なる不揃いの生存者たちだが、その“目標”のために各人各様の思いを胸に秘め、チーム『空々』が結成される。
はたして、このでこぼこの混成チームはチーム『白夜』に、魔法少女製造課課長に、始まりの魔法少女『キャメルスピン』に、そして四国ゲームにどう立ち向かうのか。
そして明かされる“四国ゲーム”の、「究極魔法」を含む“魔法”の真相とは。
ついに“四国編”完結!
以下、ネタバレ含む感想。
デストロ246 5
聖☆おにいさん(11)
名簿の時間 暗殺教室 公式キャラクターブック
![]() | 名簿の時間 暗殺教室 公式キャラクターブック (ジャンプコミックス) (2015/03/04) 松井 優征 商品詳細を見る |
著者自身による公式ガイド。
「誰と誰が二人きりで遊びに行ったことがある」とか「誰が誰に片想いしている」、「○○愛好会」など、全キャラの裏設定は二次創作やカップリング絵の参考になること間違いなし!
加えて過去に読み切りで描いた企画レポ漫画も収録されているので、荒木飛呂彦先生とウーパールーパーに興味がある人はぜひ読んでみてほしい。
暗殺教室 13
クラシックプレミアム 2015年 3/17 号
![]() | CD付マガジンクラシックプレミアム 2015年 3/17 号 [雑誌] (2015/03/03) 不明 商品詳細を見る |
《脚本:ムソルグスキー、演出:ラヴェル、監督:アバド》
ディズニーの『ファンタジア』が音楽の映像化を目指したものなら、ムソルグスキーの『展覧会の絵』は絵画の音楽化を目指したものだ。
当初ピアノ組曲として発表したのは、やはり幼少よりピアノを習っていたからだろう。しかしそれに物足りなさを感じた者が少なからずいて、様々な編曲が試みられることになる。その中の、ラヴェルによるオーケストラ編曲版が今号にて収録されている。
これを聴く際は、やっぱり元ネタであるヴィクトル・ハルトマンの画を観ながら聴くのが好ましいのだろう。そしてそれらはインターネットで容易に見つけることができる。こういう点はインターネットの“功”だ。
JAZZ100年 3/17号
![]() | ヨーロッパに咲いたジャズ文化:ヌアージュ (JAZZ100年 3/17号) (2015/03/03) 不明 商品詳細を見る |
《次号が最終号か――って続くの!?》
新シリーズが始まるみたい。
今号では米大陸を離れて、欧州で進化したジャズ、ヨーロピアン・ジャズに焦点を当てている。
ジャンゴ・ラインハルトのようにジプシーの曲調を取り入れたものはラテン・ジャズっぽく感じるが、全体的にはウェスト・コーストの風を感じる。
その中で“異彩”と呼べる個性を放っているのがミシェル・ルグランとミシェル・ペトルチアーニ。「フレンチ・ジャズ」の魅力を存分に楽しめることだろう。
今号の“ジャズ耳”全開装置の話はよく解る。
音も電気も同じ波の性質、つまりそれぞれ音波と電磁波なのだから、電磁波(ノイズ)が音波の善し悪しに影響を及ぼすのは必定。ただ、どの周波数の電磁波が音波にどのような影響を及ぼすのかよく解っていないということと、今まで殆どの人が気にしなかっただけだ。「電球によって音が変わる」のも、同じワット数でも電球によって発する周波数(光波≒電磁波)が微妙に異なるからだろう。
より音楽鑑賞に適した環境。それは、干渉してくる“波”をどこまで減らせるか、そして相性の良い“波”を見つけられるかが肝要になってくると思われる。
以下、収録曲の感想。