なるほどよくわかる波のサイエンス
![]() | なるほどよくわかる波のサイエンス―音,光・電磁波,地震波… (ニュートンムック Newton別冊) (2009/11) 不明 商品詳細を見る |
音も、光も、そして全ての物質・現象を形成する大元である素粒子まで、その性質は「波動」、“波”の動きだった!?
感じることができる波から感じることができない波まで、身の回りにあふれるほど存在する“波”のあれこれを易しく解説。
これを読めば、世界の見方が変わるかも?
こんな実験をした。
スピーカーの前に水道水を入れたコップを置き、スピーカーから一定の音波を流して十分ほど放置する。そしてその水を飲んでみるのだ。
蛇口から注いですぐの水、音波Aを浴びせた水、音波Bを浴びせた水、と三種類の水を飲み比べてみた。
結果、高めの周波数にした音波Aを浴びた水は、重く硬めの口当たりになったのに対し、比較的低めの周波数にした音波Bを浴びた水は、軽く優しい口当たりになった。
このような結果が生じるのだから、構成要素の凡そ2/3が水分である人体が音波に左右されないはずがない。実際、十分ほどとはいえ、実験のために音波Aが流れ続ける環境に身を置いた私の場合、七日目ぐらいから漠然とした心身のだるさを感じてきたのだ。高い周波数(キンキン声とか)を浴びせられ続けることは、心身に不調をきたす原因の一つになっているかもしれない。
また、電磁波(光・電波)は電子の振動によって発生し、他の電子を揺り動かす(影響を与える)波だ。電磁波が人体にどのような影響を及ぼすのか、まだよくわかっていないだけであって、影響を与えていないわけではないのだ。実際、最近に「青色の光に殺虫効果があった」「強い青色光が眼の細胞を傷つける」という記事が科学雑誌に掲載されている。
特に携帯電話の電波の波長は音波の波長領域と重なっているので、音波と似たような影響を携帯電話用の電波は与えることができる、と考えられないだろうか。携帯電話やスマートフォンは直に耳につけるよりも、イヤフォンを使用した方が受ける影響を抑えられるかもしれない。
ディストピア的な想像だが、いずれはどのような音楽(音波)や映像(光)が人間の心身に良い影響・悪い影響を与えるのか解明され、悪い影響を与えると認定された音楽や映像は排除されるかも――ああ、妄想がどんどん膨らむ!
そして、人間を含む全ての生物、物質、現象もまた音波(声)や電磁波(赤外線等)を放っている。波に干渉されている、ということは「影響を受ける」ということだ。
多種多様な“波”が氾濫している現代において、悪影響を及ぼす波を避けるというのは至難の業、そもそも何が悪影響を及ぼす波なのかすら不明確だが、「波による影響」という認識がしっかりしていれば、悪影響を及ぼす恐れがあるものを自然と避ける生活になるのではないだろうか。
波は単純だが、奥が深くて常に好奇心を刺激する。全ての人が“波”に興味を持つことを望む。
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毒と人体!
![]() | 毒と人体! (ナレッジエンタ読本18) (2009/03/20) 加藤雅俊(薬剤師) 商品詳細を見る |
毒は薬で薬は毒ってどういうこと?
牛乳や野菜で体調不良を起こす人がいるのはどうして?
ミカンが虫除けになるって本当?
毒は犯罪やフィクションだけの縁遠い存在ではない。体に良いとされる物が毒になることもあれば、逆に方法次第で毒物が有効な医薬品になることもあるのだ。
自然界に存在する毒から人工的に創りだされた毒、人を死に至らしめる毒から人を狂わせる毒(=麻薬)まで多種多様な毒物・劇物の紹介から、それらが体内に入るとどのような反応が起きるのかという解説、そして毒物を人を治療する医薬品として利用する事例まで、毒物に関するトリビア満載の入門書。
これを読めば、自分がいかに毒物・劇物に囲まれて生きているかよく理解できるようになる。一方で毒物・劇物を理解することは、自分の心身を健康に保ちながら毒物・劇物と付き合う方法を知ることでもある。
書名に「毒」が入っているからといって“有害”図書とは限らない。毒が薄いからこそ“有益”なこの雑学書を、できれば親子で読んで、健やかな生活をおくる上での参考になれば、紹介したかいがあるものだ。
※暇があれば検索してみてほしい人
●ビクター J.デノーブル
●ジェフリー・ワイガンド
毒草を食べてみた
![]() | 毒草を食べてみた (文春新書) (2000/04) 植松 黎 商品詳細を見る |
「いったいこの実はどんな味がするのだろうと、無性に好奇心がわき、一粒つまんで口に放り込んでみた。」(十三頁「ドクウツギ」より)
幼少より好奇心旺盛だった著者が、散歩中に見かけるような身近なものから外国の奥地にまで行かないと目にすることが出来ないものまで、致死性のものから神経性のものまで、44種の「毒草」をネタに毒草の特徴とそれに纏わる自他に関する出来事を綴ったエッセイ。本文そのものにも笑うに笑えない毒があるのはご愛嬌。だが著者が実際に口にしたり体験したりしたのはその内指で数えられるほどなので「書名に偽りあり」と言ったところか。
道路でよく目にする植物に青酸化合物より強い毒性があったり、病気の原因が実は生け花にした花にあったり、花屋で普通に手に入る花がガン化促進作用を持っていたり、と知らなかったでは済まされない話が続々出てきてゾクゾクした。
また、併記されている成分の名称の由来がその植物からというのが大半を占めており、はじめの「全薬物の60%以上が植物に由来している」という記述がその通りであることを改めて実感した。
毒草は縁遠いものではない。気付かないだけで確実に身近に存在する。家族やペットや家畜の誤飲・誤食を防ぐためにも、一度は読んでみてはいかがだろうか。もしかしたら、自分の原因不明の疾患の解明に一役買うかも?
JAZZ100年 3/3号
![]() | 名演の陰に名プロデューサーあり:ア・デイ・イン・ザ・ライフ (JAZZ100年 3/3号) (2015/02/17) 不明 商品詳細を見る |
《『JAZZ100年』完結後にCDを集めようと考えている初心者にうってつけの内容。》
プレーヤー、曲調(ジャンル)に続き、CDの三番目の選び方。それがプロデューサー(レーベル)。
音楽のジャンルを問わず、「ミュージシャン」で選ぶだけでなく「プロデューサーは誰か」を意識して選ぶようにすると、自分の「音楽的傾向(好み)」が解るかもしれない。
それは、ハズレを引く確率を小さくし、アタリを引く確率を大きくすることにつながるはずだ。
いや、もしかしたらそれは音楽だけに留まらず、全ての販売品に言えることかもしれない。
以下、収録曲の感想。
クラシック プレミアム 2015年 3/3 号
![]() | クラシック プレミアム 2015年 3/3 号 [雑誌] (2015/02/17) 不明 商品詳細を見る |
《ストラヴィンスキーの『春の祭典』は、斬新ゆえに解り易い?》
ストラヴィンスキーの『春の祭典』。未聴の人はその曲名からビバルディの『四季』のような曲か、と想像する人もいるのではないだろうか。そして実際に聴いてみると、ビバルディのそれとは大きく異なる、野性的で荒々しく、不安を煽るような曲調に驚くだろう。
さて、ロシアにも神や祖先を崇拝する慣習はあり、祭典、祭りの儀式は人だけでなく神や祖先も楽しませるものだった。ロシアの「春一番」は、日本のそれよりより激しく荒々しい(らしい)。そんな息吹を持つ神や祖先の霊が祭典の出来を気に入らなかったら、今年の秋の実りはどうなるか――。
そんな土地事情を念頭に置き、古代ロシアの人々の、戦々恐々の思いをしながら祭典を執り行う様子を想像してみると、音楽を用いた祭典の再現を成功させるためにあのような斬新な手法が用いられた、と私は想像するのだがどうだろう?
奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき
![]() | 奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫) (2012/03/28) ジル・ボルト テイラー 商品詳細を見る |
著者のジルは、兄が統合失調症と診断されたことがきっかけで脳科学者への道を選択する。順調に脳の研究を推し進めてきた彼女だったが、皮肉なことに、彼女もまた脳内に先天性の奇形があり、それが原因で37歳の時に脳卒中が起きて倒れてしまう。
だが脳の専門家だったことが幸いし、ジルは早い段階で自身に脳卒中が起きたことを理解し、ここからが専門家らしいのだが、助けを呼ぶことに集中しつつも、「自身の脳内で何が起こり、その結果どのような感覚が生じるのか」を可能な限り記憶しようと努めたのだ!
左脳が徐々に止まっていく様子を脳科学者の視点で刻一刻観察し、入院から回復するまでの8年間を詳細にまとめた驚異のレポート。
脳卒中かそうでないかを素人が見極めるポイントや、脳卒中で倒れた後で順調に回復するためのポイントなど、脳卒中の本であると同時に門外漢向けに脳の基本的なことも書かれているので、脳科学の教本としても最適。
これを手にする人は、大きく二者に分けられるだろう。すなわち、「脳科学に興味がある人」か「身内または自身が脳卒中で倒れた人」。そして本書はそのどちらも、そして脳の素人も満足させる内容の筈だ。
以下、内容に関する蛇足なので、興味がある人はどうぞ。
毒草大百科
![]() | 毒草大百科 (2003/07) 奥井 真司 商品詳細を見る |
毒草に興味をもつことは不謹慎だろうか。不謹慎と思う人もいるだろうし、こういう本を所有したり購入したりする人を犯罪者予備軍と思う人がいるかもしれない。
だが知ることで起きる事件もあれば、知ることで防げる事故もある。毒草は一般の人には縁遠い存在ではない。意識して辺りを見渡せば、そこかしこに毒草が存在していることに気付くはずだ。それは人に限らず、ペットや家畜の誤飲・誤食を防ぐことにつながる。
また、毒草の効果は致死性に限らない。死に至らしめるまではいかないが、興奮作用、鎮静作用、幻覚作用から嘔吐や肌荒れ、アレルギー性疾患を引き起こすものまで多岐に渡る。こういう毒草による事故はニュースになることが少ないため、自然、警戒心が薄れたり周知が徹底されなかったりすることが多い。
そして毒性は調合次第で薬効に反転する。古来より毒草は数多の人体実験により薬効を確認され、それが現代の薬学の基礎になっている。現代で流通している民間医療・代替医療でも毒草を薬草として用いるケースは少なくはない。この本でも毒性と共に薬効も併記されている。
だが生兵法は怪我の元。そういうものは経験則重視故に調合が難しく、調合次第で薬効は容易に毒性になる。「持病に効くから」とマスメディアや友人知人を含む誰かから伝えられたり渡されたりしても無警戒に服用せず、薬効だけでなく毒性についてもきちんと確認するべきだ。まあ、その点は現在流通している市販薬・処方薬にも同様に言えることなのだが。
庭や道路脇や近所の公園等で普通に目にするものから外国の奥地まで行かないと見つけられないものまで、毒性を持つ104種の植物・菌類を掲載。知らなくていいと思うのも、不安だから知りたいと思うのも、選択は自由だ。
中国嫁日記(四)
![]() | 中国嫁日記(四) (2015/01/31) 井上 純一 商品詳細を見る |
井上さんと月さんの最近の悩みは「子供ができないこと」。不安に思った月さんは「病院で診てもらう」と言い出す。偶々テレビで不妊治療の番組を観ていた井上さんも一緒に診てもらうことに。その結果。
日本人の旦那さんと中国人の奥さんの漫画みたいな日常を描いたエッセーコミック。最新刊ではウェブ上で連載していたものを修正した四コマ漫画に加え、「男性不妊」と診断された井上さんの入院から手術、退院してからのこと、試してみた「代替医療」に専門医から聞いた男性不妊の実情までを書き下ろしています。
読後にまず思ったのは、「やっぱり、自分は大丈夫、と思っちゃいけないね」
今は独り身でも、独身貴族で「パートナー探しよりも優先したいことがある」と思っていても、いざその時になって「手遅れ」と診断されては、後悔先に立たないもんねぇ。私もいずれは一度診てもらうべきかなぁ。
以下、主観的な蛇足なので、興味があれば続きをどうぞ。
怪談徒然草 (HONKOWAコミックス)
![]() | 怪談徒然草 (HONKOWAコミックス) (2015/02/06) 加門七海、JET 他 商品詳細を見る |
小説家でエッセイストの加門七海さんがこれまで見聞きし、体験したことをJETさんに漫画化してもらった『怪談徒然草』シリーズ。特別編として六十年に一度の「出雲大社御遷宮」の取材模様を漫画化。加門さんがあの場で何を感じどう思ったかは本編を読んでもらうこととして、読んで私が思ったのは「大自然や災害を眼前にしたように、やっぱり“こういう場所”では、人の存在が卑小に感じるわ」
その場で生活する人が自分以外の存在を考慮しないで思うままに場を改造した結果、悪い事が起きるとか、少なからず見聞きする話だし。それを知る術が現代に至るまでに断絶してしまっただけで、古代には彼らなりの知恵や創意工夫があったんでしょうねぇ。善悪はともかくとして、やっぱり“伝統”って大事なことだわ。
また、今巻から『怪談徒然草 (角川ホラー文庫)』で記された体験談を中心に話は展開されるそうで。
別に限定しなくても――と最初は思ったが、あまり最近の話だと他の著作を出している他所の出版社に迷惑がかかるから、ある程度時期が過ぎた古めの話を漫画化しているのかな、と深読みしてみたり。でもそれならやっぱり、『文藝百物語』で語った話とか、文章化されてからある程度経過した体験談も、機会があれば漫画化してほしいなぁ。
でも、文庫版に収録されている体験談を中心に、ってことは、いずれあの「▲」の話も――?
![]() | 怪談徒然草 (角川ホラー文庫) (2006/03) 加門 七海 商品詳細を見る |
![]() | 文藝百物語 (2001/09) 井上 雅彦、田中 文雄 他 商品詳細を見る |
JAZZ100年 2/17号
![]() | ビッグ・バンドはジャズの華:ジャンピン・アット・ウッドサイド (JAZZ100年 2/17号) (2015/02/03) 不明 商品詳細を見る |
《大編成だろうが小編成だろうが、“聴き所”に違いはない。》
今号のテーマは「ビッグ・バンド」。『スウィング・ガールズ』でジャズを聴き始めた人、または部活動・サークル活動でバンド演奏に参加している学生さんは「おっ」と思うのではないだろうか。
ビッグ・バンドは個性が解りやすいので、まだジャズのスタイルがよく解っていない初心者向けかも。
ちなみに私はコンボだろうがビッグだろうが、「いいものはいい」と思うのだが、一方に偏っている人の意見をぜひ伺ってみたいものだ。
リーダーを指揮者に置き換えればオーケストラに通ずるものがあるとも思えるので、『クラシック プレミアム』を購読している方は、ぜひ今号に浮気してみてほしい。(笑)
クラシック プレミアム 2015年 2/17 号
![]() | クラシック プレミアム 2015年 2/17 号 [雑誌] (2015/02/03) 不明 商品詳細を見る |
《二十年余りの歳月を費やして組み立てられた交響曲》
作曲のこだわりかたの特徴として“自己批判的”が筆頭に挙げられるブラームス。
悩み苦しみ考え抜いた結果生まれたこの交響曲は、故意かどうかはさておき、正に「これまでのブラームスの人生そのものを表現している」と言っていいかもしれない。
聴く時は、その前に今号の『作曲家の足跡』を読み込んでおくことを提案する。
2号に渡って論ぜられた「指揮者」をテーマにした小論。指揮者をトップに、プレーヤーを部下に見立てれば、成程、組織論に通ずるものがある。
蛇足だが、この小論を読んだら某学園漫画の理事長を連想した。結構共通項が多いのよ。(笑)